旅へ。個人で

個人旅行者のためのページ

旅を振り返って、注意すべき点。その2

 旅先では、ちょっとしたつまずきがパニックを呼ぶ

A: 飛行機の出発ゲートが突然変わった。

ローマでの2時間のトランジットで、成田で指定されたマドリッド行きの出発ゲートに1時間前ぐらいに行くとだれもいない。ゲートには紙切れ1枚の案内もない。慌ててモニターで確認したら、1時間早まって出発した気配。変更の効かないエアチケットでスーツケースも失うと思うとパニックになる。

が、原因は出発ゲートが突然変更になっただけ。モニターに出発便のゲート案内が出る前の時間帯で、誤認したのだった。アリタリア航空のカウンターで英語が通じて胸をなでおろした。

かつて日本では、変更があれば、張り紙にアナウンス、案内要員まで配置して告知を徹底したように思う。山手線などJRでは、白線の内側に下がれとしつこいほどアナウンスした。ツアーなら添乗員が変更を知らせてくれるだろう。他人を頼ることが好きな人は、ツアーを選べばいい。

B :マドリッドのアトーチャー駅から乗る新幹線は飛行機のシステム 。

出発ゲートへ入る前にセキリティチェックがあり、飛行機のシステムとほぼ同じだ。出発フロアが2つぐらい分かれていて、マドリッドからセビリア行きは上層のフロアだった。

フロアには出発ゲートが多数並んでいる。電車毎にモニタで出発ゲートが示される。ただし、出発間際にならないとゲートは分からないようだ。

二等車の車内ではイヤホンが配られ、映画も上映される(英語が選択できたかもしれない)。ほかは日本と同じ。ビュッフェで軽食がとれ、水なども買える。イスは一等、二等ともリクライニングできない。イスを進行方向に変える仕組みもない。

C :新幹線は日本で早めに予約する 。

スペインでは格安航空と新幹線が競合している。だからか新幹線は長距離で早期予約だと3、4割も安くなるらしい。現地で普通に切符を買うと、この恩恵は受けられない。

D: チケットマスターは、便利だが日程がしばられる。

バカンスシーズンのチケット売り場は、どこも長く待たされる。

チケットマスターなら行列の苦痛と時間のロスがない。が、チケットマスターは仕組に統一性がなく、複雑でややこしい。

サグラダファミリアは、券のプリントまでできる。が約1週間前にならないとプリント画面が出なかった。

アルハンブラ宮殿は、券のプリントができない。現地で、黄色の機械で発券する。

アルハンブラ宮殿の入り口向かって右奥に発券所があるが、場所が分かりにくい。この発券所では黄色の機械は1台だけで、これは使わない方がいい。多数ある専用機械を使う。購入に使ったクレカを入れるのだが、操作がややこしく、結局係員に頼んだ。前の人をよく見てまねるか、係員を呼ぶこと。詳細な情報をだれかネットにあげてほしい。

チケットマスターが不便な点は、一切変更や返金がかなわないことだ。何かあればお金を捨てるしかない。さらに直前予約には、まったく不向き。夏のハイシーズンでは2週間前でも、ほぼ売り切れ状態で、時間の選択の余地がなかった。スケジュールを熟考した上で、早めに使うべきだろう。

E: バスのチケット売り場のシャッターが閉まっていた。

マドリッドからトレドへバスで移動した際、6号線のPlaza Elíptica駅で「地下鉄の改札を出れば、すぐにバスのチケット売り場でチケットを買える」「バスは30分毎に出ている」という情報を頼りに行くと、フロアが4層ぐらいある上にチケット売り場らしきところはシャッターが降りていた。

売り場を探し回っているうちにバスが出てしまい、おまけに、次に出るバスは、たまたま1時間も間が空く時間帯だった。平日と週末、合理化など変則事項はいくらでもある。結局、チケットは自販機で英語で買えた。

F: 地下鉄の駅が工事中で乗り換えができなかった。

マドリッドの地下鉄で、乗り換え駅で路線を変えようとしたら、ロープが張られていてどうやっても乗り換え駅へ入れない。後で、工事中で乗り換え不可だと分かった。

そういえば、各所に大きな案内ポスターが貼られていたようだ。が、あいにくスペイン語は、できねーんだよ。こんな時、アンドロイドのスマホなら写真に撮って、日本語に変換できるアプリが利用できるはずだ。

G:バルセロナの地下鉄の回数券は1枚しか出てこない 。

バルセロナの地下鉄では、10回回数券を買った。2人で使う予定だが、出てきたチケットは1枚だけ。回数分のチケットを吐き出したパリの地下鉄と違うやんけ、ボケと思ったが…。

結局、最初の人がチケットを入れる⇒次の人が出てきたチケットを取る⇒扉が開くので最初の人が改札を通る⇒次の人が再びチケットを入れ、出てきたチケットを自分で取る⇒扉が開くので次の人が改札を通る、手順で使えた。

さらに地下鉄からバスへ75分以内に乗り換えた場合は2回分ではなく1回分としてカウントするなど、有益な情報は「地球の歩き方」には載っていない。

H: 地下鉄のエレベーターは、直接出口に出るとは限らない。

バルセロナの地下鉄で、スーツケースを運ぶためリフトを利用した。空港行きのバスが出るカタルーニャ広場の駅でリフトで外へ出ようとしたら、中2階のようなフロアしかなく出口へ出られない。

乗り換えの効かないチケットで出発時刻は迫っている。なのに、地下鉄内で閉じ込められた状態に。オーマイガー。結局、中2階から反対側のリフトに乗り換えて再び下へ降り、出口へ出るような構造だった。

F: スペインでは、くせのあるインディカ米であることを忘れずに。

食欲が落ちていたので、カレーを食べようとインド料理店を利用した。中へ入れば、日本でよく利用するインド料理店に近い雰囲気。で、いつものように「ご飯とナン、どっちにしますか」と聞かれた嫁は、いつものように「ご飯」を選んだ。

が、当然、ジャポニカ米じゃなくて細長いインディカ米なんです。見た目はウジ虫。インドだと、これに炊いた水のにおいが付く。ま、カレーをぶっかければ、さほど気にせず食べられる。ここはスペインなので、炊いた水のにおいは、ほとんど気にならない。

でも、嫁はウジ虫の山を見てげんなり。ただし、ナンとの組み合わせでは、日本よりおいしいことは間違いない。ついうっかり、米好きの日本人の習慣が出るんだよな。

G: 冷やしうどんは、ざるうどんではない。

食欲が落ちていたので、和食を食べようと日本料理店を利用した。冷たい麦茶も出てきて、すっかり日本にいる気分に。

で、軽い料理がいいと「うどん」を注文。外は焼けるような暑さで「熱いうどんでいいですか、冷たいのもできますよ」と日本語で聞かれた嫁は、当然のように冷たい方を選んだ。日本のそうめんやざるうどんをイメージして。が、出てきたのは、1時間前に作りおきしたうどんを冷蔵庫で冷やしたような「冷やしうどん」。

パスタ風の麺が変に延びきっていて、いわゆる残飯状態。温かいうどんの食べ残しが、冷え切ったようなモノがやってきた。嫁の体力が10ポイントほど、さらに低下したのは言うまでもない。

H: 飲食店の営業時間は、日本より2、3時間ズレている。

食欲が落ちていたので、グラナダで評判のザクロへ行った。ナビで簡単に見つかると思いきや。目的地に到着しましたと言われても、一向に見つからない。目的地には店の看板や気配すらない。

時間は間もなく12時。飲食店なら11時半ぐらいから入店できるのが日本の常識だ。人気店と口コミにあったので、予約なしで時間が遅くなると入店できないと考えて、いっそうあせる。300メートルほど戻ってインフォメーションで聞こうとしたら行列。再びナビで戻ってもダメ。目的地より先を200メートルほど探ってもダメ。ナビをストリートビューに切り替えてたどってもダメ。

途方にくれて、観光ボランティアに聞くも、この道であっているという。ウロウロすること小一時間を経て、ようやくザクロを発見。ナント、場所は合っていた。ただ、ザクロがシャッターを閉めていて、看板すら表からは見えなかっただけだ。通常のスペインの昼の営業時間は午後2時前後。12時20分ごろになって、ようやくシャッターを開けたのだ。夜も遅くて通常は午後9時ぐらい。あせると、つい日本を基準に、誤った判断をしてしまうのだ。

I :トレドの銃剣類のお土産に注意。

トレドには軍事博物館があり、市内には銃剣類の土産を売る店が多い。きれいな装飾が施されたクラシックなピストルを買った。が、以後の電車、飛行機のセキリティでトラブル続出。

電車のセキュリティーチェックでは、スーツケースではなく、持ち込み手荷物の方が、すぐ開けられてスムースだった。ところが。飛行機は逆。ピストル類は、おもちゃでも機内持ち込みが禁止されている。警官は英語をしゃべらない。スマホの翻訳機能とボディランゲージで説明し、いったん、セキュリティーチェックを出て、航空会社の手荷物カウンターで預け直すことで解決した。

 ところが、到着先のバルセロナの空港で、このピストルだけロストバゲッジになり、1時間以上、空港内で待たされた。結局、2日後に宿泊先のホテルに届けられたが、ロストバゲッジの際は、現地で通じる電話番号が必要だ。Eメールにしてくれと頼んだが、基本的に電話以外のやり取りは不可のようだ。