軍事力について考えたトレド
トレドには、日本では決して見られないような軍事博物館がある。
平和を愛し、人殺しが不得手だった民族は、武器の開発を怠り、ヨーロッパ人の奴隷になった。生活の場は、植民地という名の収奪地に変わった。
一方、人殺しが日常の中で生き、効率的に人を殺す道具を作り続けてきたヨーロッパ人は、覇者となり支配する側に立った。軍事博物館は、誇らしげにその歴史を記す。
日本人の中には、いまだに憲法9条をあがめ奉る者もいる。平和を愛し、人殺しが不得手な民族であることを恥じるなという人がいる。
しかし、ヨーロッパの地を踏む度に思う。自ら平和をたぐり寄せるには、人殺しの腕を磨くことを忘れてはならない。長く続く平和の中にいるからこそ「断じて忘れるな」だ。